日本のアルミ地金の供給
私たちの暮らしに欠かせない金属のひとつに「アルミ」があります。
生活に使用するさまざまな小物類をはじめ、建築物や乗り物などにもアルミニウムという素材が使われています。
現在、世界のアルミ消費量のナンバーワンはアメリカと言われていますが、なんと日本はアメリカに次いで第二位のアルミ消費量なのだそうです。
しかし、残念なことに日本ではアルミ地金を自ら生産することができません。
アメリカやカナダなどはアルミ消費量が多くても自国産のアルミ地金を使用することができるのですが、日本ではアルミ地金は他国から輸入しなければならないのです。
アルミ製品を作るためのアルミ原料は、アルミ地金とよばれ、日本ではアルミ地金の99パーセントを輸入によって賄っています。
そのため、どれだけ安定してアルミ地金を供給できるかが、日本のアルミ産業のポイントとなってくるといえるでしょう。
アルミ地金の輸入方法
アルミ地金の輸入方法には「開発輸入」と「長期契約」「スポット輸入」という3種類の方法があります。
たとえば「開発輸入」というのは、素材メーカーや商社、金属メーカーなどが出資して行っている方法で、海外精錬に投資をすることにより、アルミ地金を直接調達することができるという仕組みです。
基本的にはアルミ地金の取引が中心となりますが、最近はアルミナやボーキサイトといったアルミの原料そのものの確保をしようというプロジェクトもあります。
次に「長期契約」についてです。
長期契約は3か月以上もの間、アルミ地金を安定確保することができるという仕組みです。
LME(ロンドン金属取引所)やCIFJAPANプレミアム(各国の需要状況や運送費などの差を考慮した特約のようなもの)によって決められたアルミ地金の価格で、定量のアルミ地金を取引できるのが魅力です。
ただし、もともと設定された価格が安ければ、契約期間中はずっとその価格でアルミを用意しなければならないため、生産者にとってメリットは少なめな場合もあります。
「スポット輸入」は必要な時に必要な分を手に入れることができますが、アルミ地金の相場動向に大きく影響されます。