アルミニウムの毒性

アルミニウムは体に悪い、アルミニウム製の調理器具や食器は使わない方がいい…という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?

確かに、金属であるアルミニウムは、体にあまり良い影響は与えそうにありませんよね。では、実際のところはアルミニウムの毒性はどうなっているのでしょうか。

厚生労働省の発表によると、ラットを用いた動物実験では、アルミニウムを大量に投与したラットには、腎臓や膀胱への影響、握力の低下といった問題がみられるとされています。

これはラットの結果ですから、人間も同様であるとは言い切れませんが、もし万が一人間も大量にアルミニウムを摂取するようなことがあれば、なんらかの症状が出ても不思議はありません。

 

アルミの許容摂取量

では、大量にアルミニウムを摂取するとは、どれくらい摂取する場合を指すのでしょうか?

食品の安全性を評価している国際機関・JECFAによれば、アルミニウムの暫定的な摂取許容量は体重1キロにつき一週間当たり2㎎までということです。

60キロの人であればアルミニウムの摂取量が1週間当たり120mgを超えてしまうと許容範囲外ということになってしまいます。

ただし、厚生労働省が行った食品からのアルミニウム摂取量の調査によれば、すべての年代層でアルミニウムの摂取量は暫定的な許容量を下回るという結果が出たそうです。

そのため、通常の食生活をしているのであれば、アルミニウムの摂取についてはそれほど神経質にならなくともよいと言えるでしょう。

実際に厚生労働省もアルミニウムの摂取については過度に注意が必要ではないという見解を示しています。

ちなみに、アルミニウムは食品だけでなく、調理器具や食器などからも取り込まれる可能性がありますが、加熱調理をすべてアルミ鍋などで行った場合も、アルミの摂取量は許容量を上回ることはないという結果が出ています。

このように、現代の調査では、過度に心配する必要はないと言われるアルミですが、体外に排出されずに残ってしまったアルミの影響や、個人差などははっきりしていない面があります。

気になる場合は自主的に注意をする必要がありそうです。