アルミの比重
アルミにはさまざまな優れた特徴がありますが、その中でも特にわかりやすいのが「アルミは軽い」というものです。
実際に私たちの身近なところにあるアルミ製品には、鍋などの調理器具や、ジュースの空き缶、一円玉などがありますが、そのいずれも「重い」と感じることは少ないでしょう。
銅や鉄、ステンレスなど他の金属に比べ、アルミ製品は非常に軽いと感じることが多いと思います。
では、実際にアルミは他の金属に比べ、どの程度軽いのでしょうか。
金属の重さは、比重によって比較することができます。比重とは、物質の質量と同じ体積を占める標準物質の質量との差を比較したものです。
標準物質は通常は4度の水となっており、金属も水を基準として比重が求められます。
このような比重の考えかたによると、アルミニウムの比重は2.71、鉄は7.87、銅は8.93となっており、アルミが非常に軽いことがわかります。
金属の世界では、比重が5以下のものを「軽金属」として分類しますが、比重が2.71のアルミは当然軽金属に分類されることになります。
鉄や銅は重金属です。
軽金属に分類されている金属には、アルミのほかにマグネシウムやベリリウム、チタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられ、マグネシウム(比重1.7)やベリリウム(比重1.9)などはアルミよりも軽い素材となりますが、アルミほど身近には使用されていないのが現状です。
アルミと自動車
軽い金属であるアルミは、その軽量性を生かしてさまざまな用途に使用されます。
たとえば、自動車。
近年は特に、環境や安全に対する意識が高まっており、自動車産業には排出ガスや燃費、リサイクル、安全性などの性能が求められています。
CO2排出量などの規制も強化されているので、自動車メーカーはそれをクリアすべく、車両の軽量化に積極的に取り組んでいます。
その中で非常に役立てられているのが軽量素材であるアルミなのです。
もともと自動車のエンジンやトランスミッション、ホイール、ラジエターなどの部品にはアルミが多く使用されていましたが、最近はフレームにもアルミを使用し、より軽量化したものが増えています。