合金にすると性質が少し変わる

金属は元素単体の状態で利用するだけでなく、複数の金属を混ぜて合金にして利用することもあります。

合金にすることで、元素単体のままでは見られない性質が顕れることも多いです。

2種類だけでなく、3種類以上の金属を混ぜ合わせて合金にしたり、混ぜる比率を変えることで、非常に多くの種類の合金が作れます。

合金にすることで、もともとの金属が持つ性質をほとんどそのまま引き継げることもあれば、弱まってしまうこともあります。

そのため、用途に応じて混ぜる金属の種類や比率を調整することが多いです。

アルミニウムはそのままで使っても優れた性質を発揮できますが、物理的な強度が弱いのが難点です。

他の金属を混ぜて合金にすることでアルミの軽くて扱いやすい性質を保ったまま、物理的な強度を強くすることができて、幅広い用途に使えるようになります。

そして、実際に乗り物の車体や建築資材として使われているアルミの多くは、元素単体のアルミニウムではなく、アルミニウム合金です。

主に鉄やニッケル、チタンなどの金属を混ぜて作ります。

 

多種類のアルミニウム合金を区別するために番号がある

実際に使われているアルミニウム合金は非常にたくさんありますが、ジュラルミンが有名でしょう。

銅やマグネシウムなどの金属を混ぜて作ったアルミニウム合金です。

ジュラルミンケースなどを使っている人もいるかと思います。

ジュラルミンと一言で言っても、銅やマグネシウムを混ぜる比率により、何種類もありそれぞれ異なる性質を持ちます。

実際に使う際には、区別しなければなりません。

そこで、アルミニウム合金には4桁の番号が付けられています。

アルミニウムを意味する「A」と4桁の番号を組み合わせて、アルミニウム合金を表します。

主に銅を混ぜたアルミニウム合金は2000番台の番号です。

A2017が通常のジュラルミンで、A2024がジュラルミンにやや改良を加えた超ジュラルミンを表します。

3000番台はマンガンを加えたものを指し、4000番台はケイ素、5000番台はマグネシウムを加えたものです。

6000番台はマグネシウムとケイ素の両方を加えていて、主に窓枠のサッシなどに使われています。

7000番台は亜鉛やマグネシウム、銅などを加えており、強度がかなり強いです。

A7075は航空機の機体などに使われる超々ジュラルミンを表します。