アルミはさびても薄く透き通って見える

金属は空気中に放置しておくと、表面の部分から少しずつさびていきます。

さらに放置し続ければ、内部の方までさびが進行していくでしょう。

これは空気中の酸素が少しずつ結びついているためです。そして、雨に濡れればさびの進行も早くなります。

アルミニウムも金属の一種であるため、空気中に放置しておくとさびてしまいますが、鉄などの他の金属と比べてさびにくい性質を持ちます。

表面の部分が少しさびるだけで、内部の方までさびることはほとんどありません。

また、さびたアルミニウムは、酸化アルミニウムという物質に変化しています。この酸化アルミニウムは、他の金属のさびと違って薄く透き通っているのが特徴です。

そのため、見ただけではあまりさびているという印象を受けません。

例えば、1円玉はアルミニウムでできていますが、常に空気に晒されており、非常に多くの人が触るため汗や皮脂などが付着し、表面はさびているはずです。

しかし、さびていないアルミと見た目に違いはあまりないでしょう。

 

酸化皮膜を張って内部を保護する

アルミニウムが他の金属と違って、内部の方までさびないことに対して疑問を抱く人もいるでしょう。

さびて酸化アルミニウムになっても、見た目が変わらないことから、実は内部もさびているのではないかと考える人もいるかと思います。

アルミニウムが表面の僅かな部分しかさびないのは、酸化アルミニウムが強力な酸化皮膜を張るためです。

酸化皮膜で内部のさびていない部分を完全に包み込んでしまいます。

そのため、表面がさびて酸化皮膜を張ったアルミは内部には空気が触れることはありません。

1円玉のように、常に大勢の人から素手で触られる状況下でも、汗や皮脂が付着するのは表面の酸化皮膜の部分だけです。

酸化皮膜は非常に薄いですが、内部をしっかりと守ります。

ただし、酸化皮膜は酸性の物質に弱い特徴があります。

そのため、表面が酸化したアルミに酸性の物質が付着すると、表面部分が溶かされてしまうことが多いです。例えばアルミ製の弁当箱が梅干しの酸で溶けてしまうことがあります。