複雑な形状や追加もしやすいアルミアングル

加工がしやすいアルミアングル

L字型やC字型、E字型にH字型、T字型、Z字型などなど…用途に応じて、さまざまな断面を持つ「アルミアングル」という素材があります。細長い棒状の素材であるアルミアングルは、私たちの身の回りのものはもちろん、建物や乗り物などさまざまなところでも使われている素材です。

金属を使った棒状の素材と言えば、アルミ以外にも鉄鋼のものなどもありますが、アルミで作られたアルミアングルは、まず棒状の形にする際に成形がしやすく、棒状に整えられたあとも鉄鋼に比べてはるかに軽く、パーツとパーツどうしの接続がしやすいという強みがあります。

現在市場に出回っているアルミの多くは、純粋なアルミニウムにさまざまな金属を加えた「合金」です。アルミニウム合金と呼ばれるこの素材の中でも、JIS規格のA6000番台にあたるものは、押出加工がしやすく、強く、腐食しにくいという特性があります。

アルミアングルには、E字型やH字型など、ちょっと複雑な形状のものがありますが、これも押出加工がしやすいというアルミニウム合金ならではの特性を生かしているからです。鉄のアングルでは、複雑な形状のものは作りにくいといわれています。

あとからの加工もしやすい

また、実際にアングルを使用して、製品を作ったとします。完璧な設計で完璧な製品がすんなり作れた場合は良いのですが、現実の現場ではさまざまな微調整が入る場合があります。

棚板と棚板の間にもう一本補強のためにアングルをプラスしたいとか、運びやすくするために取っ手を取り付けたい…などなど。

もし、鉄製のアングルを使用して製品を作った場合は、パーツとパーツを溶接して接続してしまうため、分解することが非常に難しくなります。あとからパーツを取り付けるだけの作業でも、再び溶接作業をおこなわなければならないので大掛かりな作業が発生します。

しかし、加工がしやすいアルミアングルであれば、パーツ同士がネジやジョイントなどで接続されていることが多いので、分解して作り直すことができますし、あとからパーツをプラスするような場合も適当なところに穴をあけてネジ止めするなどすればOKです。